いつからだったか
「こんなことだったら昭和の暮らしに戻りたい」
と思うようになりました
こんなことだったら
というのは
スマホやパソコンがないとままならなくなってきた暮らし
youtubeを見て不安を煽られる暮らし
人のいないレジで自分でお会計をしなければいけない暮らし
明細が紙で届かない暮らし
これは、自分の視野が病気で欠けてしまったり
若いころより忘れっぽくなって
今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなったことで
余計に不安が助長されてしまったのだと思うのですが
「昔は何もかも単純でわかりやすくて良かったな」と思ってしまうのです
一方、若いころ、今みたいに情報を得ることが出来れば
もっと自分に合った道を見つけられたのではないか
とも思っているのですから勝手なのですが…
いつからだったのかは
多分あの時
ということがいくつかあります
パソコンに出てきたメッセージかなにかを
うっかりクリックしてしまったらしく
何かを勧誘するポップアップが画面にひっきりなしに出てくるようになったとき
これをパソコンから除去する方法がなかなかわからず
パソコンを使いながら悪態をついていました
それから
youtubeを見られるテレビに変えて
今すぐにでも大不況や大地震が襲ってくるような
自分のスマホやパソコンがのっとられてしまうような気がする
動画が目に付くようになったとき
グーグルやアマゾンや銀行から届くメールは
現れるメッセージは本物なのか
自分の判断力は大丈夫なのか
これからもっと時代が進んだら自分はついていけるのか
あまりに不安が大きくなってきたので
無視できなくなり
グーグルとスマホの解説書を買ってきました
これらの本を読んで
わからなかったことがスッキリ整理された部分もあり
気分はだいぶましになりました
ちょうどそのタイミングで読んだ本が
私を不安の沼から救い出してくれました
オードリー・タンさんの「デジタルとAIの未来を語る」という本です
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AIを人間の仕事を奪う脅威とは考えず
ドラえもんのようなもの
自分の仕事をもっとよい仕事を楽にできるように
手助けしてくれるものと
考えたらいい
というアドバイスがイメージしやすく
腑に落ちました
オードリー・タンさんは
台湾でコロナ対策のお仕事を引き受ける条件として
全ての情報を
その対策を決めるまでの経過も全て
公開することを要求されたそうです
このことが、コロナ対策を進める上で
台湾が成功するための重要なカギとなった
国民との信頼関係を作っていきました
スマホなどを活用した対策も打ち出しましたが
全ての人を取り残さないというスタンスで
スマホが苦手な高齢者も利用できるような方法も
同時に打ち出したそうです
また、自分たちの打ち出した政策に対する意見も
吸い上げるしくみを作り
更にそれを政策に反映させていったそうです
全ての人の意見に耳を傾けることで
党派を超えた協力を集めています
オードリー・タンさんは政治家ではありませんが
オードリー・タンさんのような政治家が増えたら
世界はもっと良い方向に向かっていくだろうと思います
私はこの本を読んで
本当に久しぶりに未来に対して希望を持てた気がします
そして自分も
昔は良かったなんて言っていないで
今、出来ることを前向きにやっていこうという
気持ちになりました
ありがとう、オードリー・タンさん
これからの時代をになう中学生や高校生にも
ぜひ読んでもらいたいと思いました