元学校司書のおぼえ書き

学校図書館のこと 本のこと そのほか思いつくまま

教育現場のヒントが詰まっている実話映画フリーダム・ライターズ

小学校の学校図書館に勤めていた時

毎日のように子どもの喧嘩に遭遇しました


口喧嘩から、取っ組み合いに発展することもありました

ちょっとしたことで相手を攻撃する

あるいは、攻撃されたと思う


これが中学生だと、どちらか一方が引く、我慢することで

喧嘩まで行かないことが多いですが

「自分と違う人を認める」

というのは、大人でも難しいこと

一つのクラスに40人前後の人間が詰め込まれ

毎日長時間を共にする

軋轢が生まれるのも自然なこと


図書委員の中で、敵対関係が出来てしまうと

図書委員をみることに時間をとられ

休み時間、図書室に来る子どもたちに

目が届かなくなってしまう


子どもたちが

自分とは合わないと思っている人とも

どうやったら関係を築きながら

図書委員の仕事を協力してこなしていけるのか


そんなことに悩んでいた時

参考になった映画がありました


 


2007年に公開されたアメリカの映画

「フリーダムライターズ」

人種間で争う高校生のクラスを受け持った

若い女性教師エリンの様々な取り組みを通して

子どもたちの意識が少しずつ変わっていきます

映画を見た後に、この映画が実話だと知り

一人の先生がやりとげた仕事の偉大さ

に驚かされました


エリンは子どもたちにノートを配り

日記をつけるように言います

最初は乗り気でなかった子どもたちも

だんだん自分の置かれた境遇や気持ちを綴るようになっていきます

この日記は匿名で書かれ

子どもたちは他の子どもの心や苦悩に気が付きます

 

このときの日記をまとめて出版された本が

映画の原作となっています


エリン先生の取り組みの一つに

「ライン・ゲーム」というものがあります

子どもたちが「はい」と「いいえ」でこらえられるような様々な質問をして

共通点が無いと思っていた友だちとも、共通点があることに気づかせることがねらいのゲームです

 

私も最初の図書委員会での集まりで

このゲームを真似してみたことがありました

そして「自分と合わないと思った人とでも、協力できるところを見つけて

図書館を良くしていくという共通の目的を持って図書委員をやってほしい」

というような話をしていました

学校図書館での図書委員会が

図書委員の成長の場に少しでもなってほしい

という思いがありました


ほんの数人の活動であっても

導くということは本当に難しい

今でも、あのときもっとこうしていれば

と思い返すことがあります


この映画のキャチコピーは

「昨日までの涙がインクになる…」


そういえば私も

自分がブログを始めてから

他の方が書いたブログをよく読むようになり

新たな発見や気づきがあります


ブログを書くことも

きっと社会をよりよくしていくことに

役に立っている…