ハンス・シュトルテ「丹沢夜話」を読む至福のひととき〜檜洞丸(ひのきぼらまる)はシロヤシオ満開の時期〜
私は神奈川県の丹沢で登山を始めました
東名高速道路に乗りやすい位置に住んでいるため
毎週のように通っていた時もありました
地図を開いて
行ったことのないコースをつぶして歩きました
1番行ったのは西丹沢の檜洞丸です
特に5月から6月にかけては
シロヤシオの開花が
中腹から山頂へと移っていくのを
楽しみながら
登山路を変えて通いました



ユーシン渓谷の沢から
檜洞丸の頂上に出たこともありました
鳥の鳴き声しかしない沢を上り詰めて頂上に出たら
満開のシロヤシオを楽しむ人で
一杯でびっくりしたこともありました
檜洞丸に通い始めた頃は
山頂も美しいブナの森でしたが
酸性雨の影響でしょうか
だんだんブナが立ち枯れてしまい
木立もずいぶんまばらになってしまいました
檜洞丸の南に位置する同角の頭も
息を飲むような美しさでしたが
年々荒れていきました
今はどうなっているでしょうか…
同角の頭と檜洞丸の間には短いですが
キレット(細い切れ込んだ尾根道)があり
ズリズリして 通る時はいつも緊張しました
ユーシン渓谷にも良く行きました
玄倉(くろくら)林道の奥のユーシンロッジは
以前は泊まることができましたが
2007年から営業を停止しています
昭和47年発刊のアルパインガイドによると
1泊素泊まりで450円になっています


休前日の深夜 新宿から2本丹沢号が出ています
登山ブームが偲ばれます
小田急線で新宿から新松田までの
急行料金は250円でした

最近のブログなどを見ると
ユーシンロッジは閉まっていますが
避難小屋は開いているようですね
(定かではありませんので行かれる際は
お確かめください)
ロッジ手前のダムのエメラルドグリーンが綺麗で
一時期パワースポットとして
人気が出たことがあります

この玄倉林道が開かれたのは1947年で
それ以前はユーシン渓谷へ行くのには
玄倉から山神峠を経て
或いは寄沢(やどろぎさわ)から雨山峠を経て
行くしかありませんでした
私が登山を始めて間もない頃
一人で雨山峠を越えてユーシンに入ったことがあります
誰とも会わないし
予想以上に道が険しく荒れていて
心細くなり引き返そうかどうしようか
迷いながら歩いていました
途中 山鳩が飛び立つ音に
寿命が縮まるくらい驚きました
水鳥の音を武田軍が攻めてきたと勘違いした
平家軍の気持ちが理解できたのでした
玄倉林道には長いトンネルがあります
本当に真っ暗なので
ライトが無いと怖いです


このトンネルの中で頭をぶつけ
気絶していた体験を書いたのが
神奈川の栄光学園で先生をされていた
ドイツ人のハンス・シュトルテさんです
この話は「続丹沢夜話」の「丹沢のトンネル」
の中にあります

栄光学園では山岳部長をされ
また、丹沢自然保護協会の副会長もされていました
栄光学園の前は六甲中学に勤められていて
1934年に来日され
2007年に日本で亡くなられました
続丹沢夜話には里帰りしたドイツで
甥の娘に
やたらとおじぎをして日本人みたいだ
と言われた話が書いてありました
「丹沢夜話」「続丹沢夜話」「続々丹沢夜話」
と3冊続くのですが
ハンス・シュトルテ氏は丹沢の歴史に造詣が深く
丹沢の今と昔
山での体験
丹沢の人や生徒との関わりについて
ユーモラスな語り口で綴った文章が面白く
3冊あっという間に読めてしまいます
私も視野の一部を失ったことで
昔のようには山に行けなくなってしまいました
この本を時々引っ張り出して読みながら
丹沢のことを思い出すのは
楽しいひと時です
1909年横浜創業の有隣堂さんから出ている本ですが
残念ながら古本でしか手に入らなくなっています
もしユーシン渓谷へ行ってみたいと思われましたら
西丹沢の樹齢2000年以上と言われている箒杉にも
ぜひ寄ってみて下さい
山北町HPより
また由緒ある西丹沢の名湯 中川温泉には
「ぶなの湯」という立ち寄り湯があります
(定休日や臨時休館日をお確かめください)

観光協会HPより
肌がすべすべになり疲れがとれるので
このお湯に寄るのが楽しみでした







北アルプス縦走中に骨折した話
コロナ禍の夏
北アルプスを縦走しました
途中怪我でもして
病院に運ばれるようになことにでもなったら
大顰蹙(ヒンシュク)です
慎重に行こうと心していたのですが
逆方向から歩いてくる登山者が見えたので
ちょっとよけたのです
そのとき少し足首をひねって
頭の中でパキッと音がしました
マズイと思ってすぐに
テーピングテープを取り出し
速攻で
足首を固定しました
靴と靴下をぬいで
テーピングをして
また靴下と靴を履くまで
3分位でやったと思います
行程としては4日間のうち
まだ2日目が始まったばかり
痛みが大したことないのが幸いでした
歩けば流石に痛いので
速度は落とさざるを得ませんでしたが
予定通り行くことにしました
ご存じの方のために行程を書きますと
1日目 折立〜太郎平小屋
2日目 〜黒部五郎岳〜黒部五郎小屋
3日目 〜双六小屋
4日目 〜新穂高温泉
富山から岐阜に抜けるルートです

黒部五郎カール
日本で一番好きな場所です
何回行ったかなあ…
最後に行ったとき
いつもいるイワツバメがいなくて心配になりました

この後 どしゃぶりになりました
山の天気と…ですね
骨折したなと思ったとき
頭に浮かんだのは
以前読んだ本
「死のクレパス」でした
これは南米のパタゴニアの山中で
足を複雑骨折した著者が
数日かけて山を降り
生還したときの実話です

古本しかないみたい…

映画化されました
見ていないけれど…
これはかなり壮絶な話で
著者は殆ど腕を使って降りてくるんですが
この著者の怪我に比べたら
私のはカスリ傷程度
と思いました
同行した子どもを怖がらせたくなかったので
捻挫したみたいだから
山のピーク(黒部五郎岳)は一人で行ってきて
と伝え
私はひたすら最短ルートを取りました
子どもは後から聞いたら
一人でピークを往復したのが
冒険のように感じて
達成感があったらしく
この体験を機に 自分から
山に行きたいと言うようになりました
一泊した後が大変でした
足が腫れて
靴に入らないのです
小屋の外の椅子で格闘しましたが
どうにも入りません
困ったなと思っていたら
目の前にペグ(テントを固定する小さい杭)が
一本落ちていました

靴べらがわりにしてみたら履けました
テントの方はもう出発して一張りもない
ペグを大事にポケットにしまわせて頂きました
翌朝もこれが役にたちました
この縦走のとき
ストックを持って行かなかったのは
失敗でした
骨折してからも大変でしたが
そもそもストックを持っていたら
骨折していなかったように思います
後で思い至ったのですが
この2年後
視野が6割程
欠けていたことがわかりました
よく転ぶと思っていたら
足の着地地点が
頭で判断している位置と
ズレているんです
人間って何も考えずに歩いていても
目から入った情報から
着地地点をちゃんと計算しているのでしょう
この縦走に行った時は
老眼が進んだくらいしか思っていなかったのですが
既に視野狭窄が進行していたようです
ともかく
地図に書いてある
標準コースタイムを少しオーバーする程度で
縦走を終えることが出来ました
帰ってから整形外科に行くと
やはり骨折で
しばらく杖を使いました
今さらでしたが…
無理したせいか
今でも冬はちょっと違和感があります
「死のクレパス」という一冊の本を
読んだ事があったおかげで
アクシデントを乗り切ることができた
というお話でした
テーピングテープを持っていたのも良かったですが
出来れば二巻きあったら良かったと思いました
ケチケチ使いました
湿布も持っていたので貼っていました

1996年の大量遭難の顛末を
現場にいたアメリカのノンフィクションライターが書いたもの
当時の営利目的の登山ツアーの実態がわかります
現在エベレスト登頂のツアーは一人1千万円弱ぐらいのようです…

これは古本でしか手に入らないけれど
山行での安全を考える上で
とても参考になった本です
図書館にあるかしら…



本を捨てるのはつらい
自宅をリノベしたときに
本を1000冊以上捨てました
困ったのはバーコードのついていない本
ブックオフでは引き取ってもらえない
そういえば ブックオフ
自宅回収の時の方が高値で買い取ってもらえてるように
思います
バーコードがついてなくても というか
むしろ そのような本を扱っているところで
自宅が回収エリアに入っているところを探して
来てもらいました
値が付かない本も一緒に持って行ってもらいました
捨てるのは忍びないですからね…
もう一度読み返したいと思っていた本も
老眼がひどくなったので
小さい字の文庫本は処分しました
それから図書館で借りられそうなものも
どうしても手元に置いておきたい本
もう手に入らないものを残しました

でもやっぱり
あの本 捨てなきゃよかったな~
と たびたび思っています
捨てたのを忘れて探したり…
できればぜんぶ残しておきたかった…
ここまでは自宅の話
ここからは学校図書館の話です
移動した学校で
廃棄されるべき本をたくさん発見したときには
本当にがっかりしました
新しい職場で廃棄から始めなければならない…
まず「最新」と題名がついているものをチェックしました
最新医学 最新技術 最新科学
多分 ほとんどは 最新じゃない
参っちゃうなーと思うのは
国際関係の本です
10年以上前のものは
明らかに
日本は先進国
位置づけで
上から目線で書かれています
こういうのは図書館堅牢本といって
しっかりとした表紙がついていて
全ページカラー
1冊三千円から四千円の
学校の授業で使われることを前提として
堅牢に作った本
学校図書館の中でも綺麗に保たれているので
もったいないと思ってしまうのですが…
バッサリと捨ててほしいです
最近 こういう本の役割は
ネットがになうことが多くなっています
それはそれで問題点もあるのですが
過去の遺物のような本を使うよりはいいでしょう
中学校の図書室で推理小説の棚のほとんどが
ページも黄ばんでしまった
赤川次郎だったのには驚きました

私はセーラー服と機関銃世代ですから
好きなんですよ
でもでも
平成の子どもたちからすると
昭和が全盛期の本は
昭和の人から見た大正や明治の本
出来れば黄ばんだものは廃棄し
厳選して新しい装丁の本に
江戸川乱歩も一度は読んで欲しいと思いますが
昭和に出版された装丁だとなかなか手に取ってもらえない
乙女の本棚シリーズは
イラストが好きな子どもにも人気です



図書の予算も限られているので
とりあえず不足しているジャンルの本
授業で使う本から発注して
小説などは後回しになります
だから一遍に一新は出来ないのですが
古い本は思い切って片付けて
今の本を入れて
スカスカにならないよう
面だしして置くと
図書室の雰囲気がガラリと変わります
今の本がメインに見えるようになると
図書室に来てくれる子どもの数も
だんだん増えていきます
子どもが言っていたのですが
背表紙に見える字体が古いと読む気がしないとか
そう言われて比べてみたのですが
新しい本は全体的に柔らかい感じのする字体を使っていることが
多いように思いました
お金が無いとい買えない
巻数が多い人気漫画も入れてあげたいです
自分から読まないのならいいのですが
友だちがみな読んでいるのに
読む機会がない子どもがいたら悲しい
ハイキューは既刊を全巻入れたら
たいそう喜んでもらえました



イメージを変えただけで体がもちあがる

子どもの頃からが体が硬いです
それが20代のとき
スキーにはまって
全てはスキーのため
という感じでストレッチまで
根を詰めてやった結果
かなり柔らかくなりました
それが 出産前後
絶対安静になってしばらくやらなかったら
もう硬いのなんのって
元が硬いとすぐ戻っちゃうんですね
ストレッチを再開したところ
今度は筋を痛め
整形外科の先生からは
ストレッチやっちゃだめだよ
と言われる始末
そんな時に本屋で見かけて買った本
買ったっきり放置していたのですが
子どもがブリッジが上手く出来なくて困っていた時に
この本に載ってるコツみたいなのを伝えたとたん
見事に出来てしまったのです
それは
「両手両足で床を強く押して」
ということだけ
もち上げようもち上げようと思っていると
持ち上がらなかった体が
両手足で地面を推したら
結果として持ち上がったという感じです
この本はなんか昭和っぽいです
写真じゃなくてイラスト
情報量が多い
小さい字でちょこちょこ書いてある
老眼鏡が必要なのは残念ですが
惜しげもなくアドバイスを入れてくれている気がします
だいぶ前の本なので もう絶版かなー
なんて思って amazon見てみたら
新しいのが出てました
体が硬くてヨガに ご興味のある方
おすすめです

「何もかも憂鬱な夜に」評するも人、評さるるも人
一時期 新聞記事をスクラップしていたことがあります
何か目的があった訳ではないのですが
ジャンルも関係なく 気になった記事を順に貼っただけのものでした
先日ふと思い出してめくっていたら
小説「掏摸」(スリ)で大江健三郎賞を受賞した
中村文則氏を紹介する記事が貼ってありました
この記事も貼ったきりで忘れていて
もう名前も記憶にありませんでした
記事を読むと
受賞作「掏摸」を書くために
有人を練習台に1年ほどスリの実技訓練をしたと書いてありました
すぐにでも読みたくなって
最寄りの地区センターの図書室に行ってみましたが
残念ながら「掏摸」はありませんでした
代わりに芥川賞受賞作「土の中の子供」を借りてきました
ノンストップで読みました
重い話なのに 読みながらわくわくしてしまったのは
作家の表現に圧倒され
作家の世界に没入する
という体験が久しぶりだったからです
そして純文学と言えるものを読んだのも久しぶりでした
私の家族も よく本を読む人たちなので
「トリックとかアイデアとか奇をてらったような部分がなくて
最近 そんなのばかり読んでいた気がするから なんか 良かったな
こういうのが 読みたかったんだと思った」
と言ってみたけれど
中村文則氏の本について
上手く伝えられた気がしませんでした
そこで
「上手いなって うなっても なぜか 読み返したくはならないものもあるでしょ
でも これは読み返したくなる本
自分が読み切れなかった部分があるような気がするし
その部分を放っておいていたくないというか…」
と付け加えましたが やはり歯切れが悪くなったのでした
翌日 もう一つの近隣の図書室に行くと
「掏摸」がありました
期待を裏切らず 面白かったです
3冊目に借りたのは「何もかも憂鬱な夜に」
このあとがきを書いているのは 又吉直樹氏でした
これが
膝をポンと叩きたくなるような
痒いところに手が届いた解説でした
そうそう それが言いたかったの
私は上手く言葉に出来なかったけれど
流石 又吉氏
この又吉氏の解説が名文過ぎて
これを要約する力も私にはないので
その中の一部を抜粋させて頂くと
「これ以上掘り進めることはできないと多くの人が傍観するなか
鋭く研ぎ澄まされた鍬を垂直に強く降り下ろし続けていた」
そして この文章の前に 中村氏の小説と対比して
最近の小説について語っている部分があります
ネットフリックスでドラマ化されるような エンタメ小説
社会問題にも切り込みながら エンタメ性もあり
充分面白いとは思っているものの
何か満たされない感じ
その感じを(これは私が感じていたことなので合っているかはわかりませんが…)
「愉快と充足を感じる一方で何かを待望するような飢餓の兆しを感じ始めていた」
と表現されていて
ああ何て上手く表現するんだろう 完敗だ
と 小説そのものに加えて あとがきにも ノックダウンされたのでした
この「何もかも憂鬱な夜に」は
死刑制度が一つのテーマになっています
死刑制度をテーマにしている小説では
高野和明氏の「13階段」を このブログでもとりあげました
アムネスティインターナショナルの調査によると
現在 世界で死刑制度が廃止されていないのは以下の54か国です
アフガニスタン、アンティグア・バーブーダ、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、バルバドス、ベラルーシ、ベリーズ、ボツワナ、中国、コモロ、コンゴ民主共和国、キューバ、ドミニカ国、エジプト、エチオピア、ガンビア、ガイアナ、インド、インドネシア、イラン、イラク、ジャマイカ、日本、ヨルダン、クウェート、レバノン、レソト、リビア、マレーシア、ミャンマー、ナイジェリア、北朝鮮、オマーン、パキスタン、パレスチナ、カタール、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セン
トビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、シンガポール、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、台湾、タイ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、アラブ首長国連邦、米国、ベトナム、イエメン
*アメリカでは50州中23州で死刑が廃止されています
このうち 2024年に死刑執行が実際に行われたのは
アフガニスタン (+)、中国 (+)、エジプト (13)、イラン (972+)、イラク (63+)、
クウェート (6)、北朝鮮 (+)、オマーン (3)、サウジアラビア (345+)、シンガポー
ル (9)、ソマリア (34+)、シリア (+)、米国 (25)、ベトナム (+)、イエメン(38+)
*死刑者数が書いていないのは不明の為で 中国では数千件とみられています
また 国際法違反として
日本、モルディブ、米国など数カ国で、精神障がいや知的障がいを持つ死刑囚がいる
と指摘されています
日本の歴史の中で死刑が廃止されていた時期があります
それから347年間 公的には 死刑は廃止されていたそうです
廃止された理由については諸説あるようではっきりとわかりませんでした
では現代社会で 死刑制度を廃止している国は
なぜ 死刑制度を廃止したのでしょうか
中村文則の「何もかも憂鬱な夜に」の主人公は
刑務所に勤める 刑務官です
この刑務官が 死刑囚にこう言います
*読むおつもりの方はネタバレになりますので
ここで終わりにしてください


2012年 ヴォールストリートジャーナル紙
年間ベスト10小説(英訳本)

「人間と その人間の命とは 別のように 思うから…
お前の命というのは 本当は お前とは 別の物だから」
この言葉に 理由の一つがあるように思いました
というか 死刑を廃止すべき理由として 今までで 1番 しっくりときました
冤罪の可能性や
死刑執行人の精神的負担
も 死刑制度を廃止すべき理由にあげるべきことだと思いますが
それよりももっと 根本的な答えとして
私には しっくりくるものでした
中村文則氏の小説
まだ読んでいないものが たくさんあり
それが嬉しいです

新潮新人賞 デビュー作

中高生におススメの本50冊+
【中高生におススメの本50冊+】
知人から高校生におススメの本を問われたので
ざっとあげてみることにしました
中高生と書きましたが
小学校の高学年から読める本もあげています
もちろん大人が読んでも…
学校の図書室で働いていて感じたのは
難しい本を読む力はあっても
小説など物語には全く面白さを感じない子どもも
いるということです
読む本は自分で選ぶものだけれど
本棚の本が偏っていたら
誰かが必要な本に出合う機会を奪うことになるかも…
本の分類番号を見て
欠けているところを補充するように
していくと
知らず知らずのうちに
自分の好みの本を選んでいる
といった偏りが避けられると思います
とはいうものの
私が中学校の図書室にいたとき
有害図書に指定されている本ばかりリクエストしてくる子どもがいて
なかなかてこずりました
まあ「読むな」と言うのは「読め」と言っているようなものですから…
検閲のようなことはしたくはないけれど
流石に自死の方法が載っている本などは学校には怖くて置けません
読んだものは精神に異常をきたすと言われていることで有名な
「ドクラマグラ」は一応自分が読んで
精神に異常をきたさないことを確認してから
貸し出しました
(でももし異常をきたしていたら自覚できるものだろうか…怖)

上巻です
このあいだ
経済学者の成田悠輔さんが 弟が中学生だったときに送ったという読書リストを見てみたら
手にとったこともない
ハイレベルの本が多くて
元学校司書として
恥ずかしく思ったのでした

こちら、そのリストが載っている
起業家の弟さんの本です
リストの中の1冊

未だ未解決の狭山事件についての本です
社会問題についての本ともいえます
それではここから おすすめの本を
ご紹介していきます
今までのブログとダブルものもありますが
ご了承下さい
【進路に悩んだ時に】


【心が疲れている時
人間関係に悩んだきに】

コピーライターだった著者
短いフレーズに共感したり
ハッとさせられたり…
BTSのジョングクが寝る前に読むというので
話題になった本
シリーズ化されています

他人が簡単にやっているように見えることが
自分には難しいことがある
小学校高学年から中高と他人との差異が気になって
自信が持てない子どもはたくさんいます
学校教育が勉強でも態度でも一律に一定以上を求めるから
そんな子どもはなおさらやりずらい
人と同じように出来ないのには何かしら理由がある
だから自分を責めないでほしい
その理由がわからなくても貴方がダメだから出来ないのではない
そういうメッセージを子どもたちに送れるような図書室を目指していた
この本はそこにもう一歩踏み込んで
その理由に向き合うことから始まり
自己を肯定し
生きづらくなっている自分から抜け出すやり方を教えてくれています

まんがです
癒されます

相手との関係が上手くいかない原因は
自分だった!?

話し方と書かれていますが
傾聴についての実践的アドバイス
【ノンフィクション】

原材料をとりにいくところから
トースターを作る話
一時絶版になっていて残念だったけれど
文庫で復活していて嬉しいです

黒人は本を読まないと言われていた時代に
ニューヨークに黒人に関する本だけを扱う
本屋を開いた男の人の話

上下巻あります
知の巨人佐藤優の高校時代の東欧への一人旅の記録
スマホも無かった時代に高校生の息子を一人海外へ出す決断が出来る
親というものはそうそう居ないと思うのですが
でも もう一人いたのを思い出しました
劇作家の平田オリザさん
十六歳の時に自転車で世界一周をしています
あまりにも緻密な旅行計画書をオリザさんが作ったので
ご両親も反対できなかったのだとか

こちらは大人の方におすすめしたい新書

斜陽の日本の行方に示唆を与える1冊です
こちらは格闘家ビクトル古賀が
終戦後 日本人殺戮が横行する中
10歳の時に一人で1000キロを歩き
日本へ帰ってくるまでの壮絶な体験

教育で1番大事なのは
独りで生き抜く力を培うこと
だと気が付かされた本です
大人にも読んでほしい…
*凄惨な場面があります

当時7歳だった著者が見た日中戦争
著者の遠藤誉は筑波大学名誉教授で
中国問題グローバル研究所の所長
*凄惨な場面があります

日本の近代というものがこの本から見えてきます
大逆罪で死刑宣告を受けるも獄中で自死
現代で教育を受けていれば
大学教授にでも党首にでも
なれたであろうと思わせる逸材金子文子
*高校生くらいから


こちらはオウム真理教信者と元信者へのインタビュー

アメリカのある奴隷少女の壮絶な記録小説

動物行動学の第一人者のローレンツによる
動物観察記
想像を超えた動物たちの豊かな世界

wakatte.TVのびーやまさんの著書
受験勉強がつらい時に

金融教育が遅れていると言われている日本
自習しましょう
【部活動がテーマの小説】
小学生に人気の「れいぞうこの夏休み」の著者 村上しいこの
ヤングアダルト向けの小説です
短歌甲子園3部作



誉田哲也 剣道4部作

4部作の1冊目です
これは面白いです
「成瀬は天下を取りに行く」が好きな方にも
【多くの人が推薦する小説】

輪廻のサイクルから外れたボクの魂は
自殺を図った少年の中に入って生きることを強いられます
それはぱっとしない、家族もさえない少年でした

辞書を編纂する人たちの物語

偏桃体が小さい故に感情がわからない
少年が主人公です

地下に潜って戦う少年たちのお話
この本を読んで
アレックス・シアラーのファンになったと言う人は多い
面白い!!

主人公は17才の吸血鬼
村上春樹の作品でお薦めしたいのは
以下の2冊です

文庫本で3巻まであります
どれも分厚く読みでがあります
*残酷な描写があります

こちらは上下巻

ありそうでちょっと怖い
2012年このミステリーが凄い1位
第65回日本推理作家協会賞など

江戸川乱歩賞受賞ミステリー
死刑と冤罪がテーマ
上の「ジェノサイド」と同じ著者
【一度は読んでみたい欧米文学】

これは思春期に読むから染みる本
そして大人になって読み返す本

1950年代 イギリス文学
著者は「怒れる作家たち」の一人アラン・シリトー
「怒(いか)れる作家たち」とは
富と権力を持つものに支配された社会に
文学で切り込んでいくイギリスの作家を表す言葉
労働者階級が描かれる
他に劇作家のオズボーン
怒れる作家と評する人も居る

カミュの思想の根底にあるのは「不条理の哲学」と言われている
短い言葉で説明することは難しいが
人間は人生に意味を見出そうとするが
宇宙や世界に意味はない
この不調和又は対立を指すのが不条理

「異邦人」の著者カミュの代表的な作品の一つ
ある街を伝染病が襲い
街は閉鎖される
コロナ期に再発掘され注目を浴びました
この作品ではペストが不条理なものとして
人間との戦いを描いています

ロシアの戦争文学
古本でしか手に入らない
一時は古本でも手に入らなかった
非常に優れた戦争文学の短編集なので
多くの人に読んでもらいたいです
ショローホフでは長編「静かなるドン」が有名です
ロシアは戦争映画も優れたものがたくさんあります
youtubeで見ることが出来るものも多いです
自動字幕なので意味を追えないこともありますが
映像だけでも訴えてくるものがあります
【短編から入る日本文学】


【文字通り生きることが
目的に成りえた時代のお話】

食糧危機でインディアンの部族から
置き去りにされた二人の老女の話

大草原の小さな家シリーズの中の1冊
一応お話風になっているが
作者のローラ・インガルスの実体験を元にした話
長い寒波で食料が届かなくなった街の人々が
命をつなぐまでの戦いが描かれている
シリーズの中でも特におすすめしたい巻
【SF】

4人家族で平和に暮らす少年
しかしそこは監視社会で
偽物で作られた真実が封印された世界でした
ニューベリー賞受賞 映画化された物語
以下2冊はこの続編です



星新一を呼んだことのない中高生がいるのは
もったいない…

島に流れついたロボットに偶然スイッチが入って…
感情が無いはずのものの物語だから
余計に感情というものが
際立つのかもしれません
小学生から読めます
【ファンタジー】

児童書「おおどろぼうホッツェンプロッツ」の
主人公の少年の成長物語です

ハラハラドキドキのノンストップストーリー
【歴史が得意になる歴史小説】

読書に遅すぎるということはないけれど
できたら学生のうちに読むといいと思う
明治維新と明治時代は必然ではなく奇跡…
併せて読みたい

日露戦争前後
【まんが】
福島原発の事故後、作業員として働いた
漫画家の渾身のルポ漫画です

キンドルか古本になります

これは傑作なので一度は読んでおきたい

こちらも一度は読んでおくべき漫画
このシリーズを読んだ後 子どもの顔つきが変わりました

アルキメデス 凄い

全4冊
文字通り日本人の知らない日本語
目から鱗な日本語解説に加え
日本語を学ぶ個性豊かな外国人が面白い

こちらは目から鱗な日本文化
めづめづ、、、珍しい めでたい
漫画で読む、平和でない国に生まれるということ
2007年、カンヌ国際映画賞で審査員賞を受賞したアニメーション
「ペルセポリス」の原作漫画ⅠとⅡ

イラン人女性 マルジャン・サトラビの自伝的漫画であるペルセポリス
1979年 10歳の時にイラン革命が起きる
両親の親しい友人や 親族が
投獄されたり 処刑されるのを目の当たりにする
その後、イラン・イラク戦争を経て
日ましに自由が奪われていく国でサトラビの身を案じた両親は
サトラビを単身オーストリアへ留学させる
アイデンティティを求めて19歳でイランへ一時帰国する前までの
思春期の心の揺れや 異邦人としての葛藤を
激動のイランの情勢を背景に
切れのある言葉とイラストで描いた重量のある漫画である
30カ国以上で出版された
残念ながら 日本では2巻までしか出ていないが
フランスでは4巻まで発刊されているらしい
現在はフランスに在住し アニメーション作家として活躍している
年がばれるが
イラン革命が起きたのは 私が中学生の時だった
革命部隊によるアメリカ大使館の占拠と人質事件のニュースが
連日流れていたのを鮮明に記憶している
このアメリカ大使館の占拠の前に
サラトビの友達がアメリカへ移住している
漫画の中に、これでもうアメリカへの移住はかなわなくなったという
セリフが出てくる
当時 ニュースで外側から見ていた出来事が
作者の子ども時代を通して内側から語られるのを読み
大変興味深かった
この漫画を読んで
数年前に読んだ「帰還」という本を思い出した

この「帰還」の作者ヒシャーム・マタールの父は
リビアの外交官だったが、反体制の運動家で 身の危険を感じて
エジプトに亡命してカイロで家族と暮らしていた
作者がロンドンの大学で学んでいた1990年
父親が行方不明になる
後にリビアの秘密警察に拉致され
リビアの刑務所に投獄され、拷問を受けていたことがわかるが
その後の消息がわからなかった
まずこの本を読んで驚いたのは
亡命先にまで追手がやってきて拉致されるということが
1990年、この現代で起こっていたという事実だった
作者の兄も 学生時代に学校を出た後をつけられ、拉致されそうになったのを
機転を利かせて回避している
リビアは現在も内戦状態にあり 政府も2つに分かれている
外務省によると危険レベルは最も高い4で、ただちに避難するよう勧告が出ている
このような情勢の国で
いったいどれだけの人が どれくらい苦しんでいるのか
想像もつかない
この「帰還」の前に彼を有名にした作品が
自分の半生に重ね合わせて描いた
「リビアの小さな赤い実」だ

翻訳は金原瑞人さん