元学校司書のおぼえ書き

学校図書館のこと 本のこと そのほか思いつくまま

学校図書館のオリエンテーションおぼえ書き②

高学年に、特にオリエンテーションは必要ない

と思われるかもしれません


でも、意外にいました


図書館の使い方がわからない高学年


低学年の時は図書の時間を設けている学年も多いですが

高学年になると授業で図書室に来ることも

めっきり減ります


休み時間はとにかく外、ボール遊び、

みたいな子どもは

借り方、返し方さえ忘れています


まあ、忘れていても

必要とあれば聞けばいいのですが

聞けない子っていうのもいるんですよね

 

大丈夫、いつかは聞けるようになります

でも、そのいつかが今でない子が


たまには借りてみたいけど

使い方を忘れてしまったので足が遠のいている


という子どものためにサクッと使い方、マナーを復習し


昨年と変わったルールとか

こんなシリーズ入りました


なんてことを言って、後は読む時間にするという

パターンが多かったです


先生の方から、「読む時間を多くとってください」

と言われることもありましたので


ただ、6年生にもなると

卒業アルバムやら修学旅行の準備やら

いろいろ入ってきて本当に忙しいので

国語の教科書に載っている

図書館関係の授業を

オリエンテーションとしてとった時間に

当てはめてやってしまう

ということもありました

 

高学年ともなると

主要教科以外の授業は休み時間みたいに

とらえているな子ども

結構いるんですよね

まあ、それは理解できます

朝からずっと

大人数、狭い教室に詰め込まれ

頭にも詰め込まれ…

 

そんな高学年の子どもが

図書館についての話に

興味を持ってくれるよう

つかみとして私がよくしていた話があります

 

この図書室は

町の図書館は

誰でも利用できる場所

 

だけど、古代で最大の図書館だった

アレクサンドリアの図書館は権力者のものだった

権力をゆるぎないものにするために

情報を庶民に渡すようなことはしなかった


 


グーテンベルク活版印刷を発明したことで

知識や情報が庶民の間に広まり

世界が発展していくきっかけとなった


 


大量に本を印刷することになったときに

初めて標準語という概念が出来た

などなど


更に、その話にからめて


アラブの春」はSNSの発展によって生まれた

という話をしたこともあります


小学生には難しい話のようにも思えますが

今の子どもたちはスマホやユーチューブや

コロナで常用化したタブレットを用いて

「情報を得る」という作業に慣れており


社会や世界情勢に興味も出てきた年でもあり

思っている以上に聞き入ってくれます


「情報を制する者は世界を制す…」というワードに

突然、いつも先生の言うことも授業も全く聞かず手をやかせていた子が

反応し、前を向いて真剣に聞き出した時は「オッ」と思いました

何だろう…世界を制したいと思っているのか…も


本の奥付についての話も一緒に

本と言うのはその内容について責任が明確にされているんですよ

という話

 

知りたいことがあったら

すぐにネットで検索する時代ではありますが

「本で情報を得る」ということについて

ソースがしっかりしている

ということの重要性について

まずは認識してもらいたかった


インターネットが普及してからの情報

或いは歴史についての知識も

ネット上にあふれていますが

ネットが普及する手前何十年かの情報

については

ネット上の情報に穴があるように

死角があるように感じている私です…

この話はまたいつか…

 

でも、今年だったら

チャットGPTの話に触れない訳にもいかなくなってきましたね


司書の守備範囲も、どんどん広がって大変です

 

「チャットGPT」

新しい図書分類番号が増える時が来るのでしょうか…

 

大きく10に分かれている図書分類番号

時代と共に、後ろへ後ろへと桁も増えて行きます

ブログのNDC(図書分類番号)007.353

 

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