元学校司書のおぼえ書き

学校図書館のこと 本のこと そのほか思いつくまま

読書感想文ってなんだ

最近「読書感想文の書き方」に関する本がたくさん出ています

学校では夏休み前に定型で埋め込んでいくための用紙を

配っている先生もいます

 

この「定型」が広まってから

子どもの感想文がつまらなくなった

と私は思っています

 

日本中どこへ行っても

駅前にあるのは同じ店

川はぜんぶ護岸工事されて同じ景色

それには利点や便利さも確かにあるだろうけれど

なんかつまらない

それと似ている

 

なぜ「定型」が広まったか

それは、読書感想文が苦手な子どもが多いから

 

もう読書感想文を書くことは

「読みを深める」とか

「自分をみつめる」

とか本来の目的からは離れ

「どうやって3枚の原稿用紙を埋めるか」

みたいなことになっている

 

読書感想文の課題図書っていうのがあるのも

どうなのかな

せめて、図書館や本屋に行って

自分にピンとくる本を選んでみた方が

たとえ、読んでみたら

予想と違った内容だったとしても

書くことがあるんじゃないのな

とも思う

 

そうは言っても、かくいう私も

学校司書だったときには

毎年、夏休み前に

課題図書の紹介と一緒に

「読書感想文の書き方」

なるものを

図書便りに載せていました

 

そのとき書いていたことは

「読書感想文は自分のことを書く作文だ」です

 

とにかく、本を読んで

主人公と自分を比べてもいいし

本を読んで思い出した

自分の経験でもいい

ふだんは口に出さないけれど

本当は思っていることを

書こう

言葉にするのが難しいきもちを

どうやったら人に伝わるか

どんな言葉なら人に伝わるか

考えてみよう

どうしても思いつかなかったら

言葉にするのが難しいきもち

と書いてもいい

とにかく自分のことを

できるだけ詳しく書いてみよう、と

 

ただこれは、小学校1、2年生には難しい

小学校1、2年生には

過去の文集の中から

いくつかの感想文を選び

本と感想文を実際に読み聞かせて

これが「感想文だよ」と言ってから

「自分のことを書けばいいんだよ」と伝えていました

 

賞をもらって文集にのっているような感想文は

1年生でもちゃんと自分のことが

自分の気持ちが書けているのです

 

実際、賞をもらっているのは

本の感想ではなく

自分のことを深くみつめて

自分の気持ちを書けている文なのに

読書感想文という名称が

読書感想文を書きにくいものにしていると思います


 

「5番レーン」 ウン・ソホル作

これは今年の小学校高学年の課題図書

これで学校図書館にアジアの本が1冊増えますね

 

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手元にずっと残しておきたい料理本

[料理は子どものころから好きだったけれど

親から教わったことは一度もありませんでした

多分、台所が狭かったのと

親が仕事をしていたせいだと思います

自分が作るときは本を見て作っていました

 

大人になって、本を見ないで作れるようになったのは

いつ頃だったか…


月並みだけれども

料理もやっぱり他のことと同じで

「基本的な作り方」をちゃんと理解すると

応用が効くようになるのでしょう

 

中国の家庭料理200種 婦人之友社


この本に載っている「チンジャーロース」を作った時

本当にシンプルな作り方で

調味料はお酒とお醤油と片栗粉と塩だけだったのに

びっくりするくらい美味しく出来て

「え、これだけでいいんだ」

と開眼した思いでした


以来、炒め物はいつも同じ作り方

お肉に醤油とお酒で下味をつけて片栗粉をまぶしておく

野菜は1種類ずつ塩をふって炒める


野菜は季節のものを

春は独活や筍

夏はキュウリやズッキーニ

秋はナスや百合根

冬はセリ


肉を炒める時、ニンニクやショウガやスパイスや

お味噌をちょっと入れる時も


鶏肉は醤油をつかわず塩と酒をもみこんでおいて

キュウリと一緒に炒めるとサッパリとして夏はいい


こんな風に作るようになって

夕飯づくりがだいぶ楽になりました

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ハサミは脂身のところが切りやすいです


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お醤油とお酒をもみこんだ後に片栗粉をまぶします

 


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野菜は1種類ずつ塩をふって炒めます


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主婦になりたての頃

頼りにしていたのが

暮らしの手帖社の料理本

ロイヤルホテルの家庭料理 暮らしの手帖社

おそうざい十二カ月 暮らしの手帖社

おそうざいふう中国料理 暮らしの手帖社


作り方を見ただけで、料理の出来ない人が

実際に上手に作れるようになるまで

何度もテストを繰り返して作り上げた本だそうです


料理本は随分買いましたが

引っ越しのときに

半分以上処分してしまいました

でも、この暮らしの手帖社のシリーズは

手元に残しました


本に書いてある通り作って

本当に美味しく出来て

何度も作っていた料理がそれぞれあります

ウィンナシュニッツェル

ぶり大根

薄餅

 

料理本ではないですが

同じく暮らしの手帖社から出ている本で

京都の料亭「吉兆」の前のご主人が書かれた料理エッセイ

「吉兆味話」全4巻

吉兆味話全4巻

新版がありました 4巻の抜粋かな…?

 

この本も、料理をする際にいろいろ参考になりました


この本で覚えてよく使っているのは

お味噌汁やお吸い物やスープの味が今ひとつ決まらない時

お酒を入れること


それから、蓮根をすって、揚げたり蒸したりして

お餅のように使うこともこの本で覚えました

 

秘密のケーキづくり これは再販の方も、古本しかないようです

 

この「秘密のケーキづくり」は

自分で初めて買った料理の本だったかもしれません

この本の巻末に砂糖や小麦粉の大匙1や1カップが何グラムか

ということが載っていて計りが家に無かったので重宝しました

ネットも無かったですので、そんなことは実験でもしなければ

家に居て調べることが出来なかった時代でした


137のレシピの他に

料理用語の説明や

オーブンや料理道具の使い方や

お菓子作りのコツなどがぎっしりで

この本の著者であるマドモアゼルいくこさんや

編集者の方々の読者への誠意が伝わってきます


今の本は写真が綺麗で見やすくわかりやすくなったけれど

1冊の情報量が昔の本と比べると少なくなったな

と思ってしまいます


最初のページに載っている「ヨーグルトポムポム」は

リンゴ入りケーキですが、オーブンが無かったのでフライパンで

焼いていました


サラダオイルをバターの代わりにケーキに使えるというのは

このケーキで知りました

今も家でケーキを作るとき、バターの代わりにオリーブオイルを入れたりしています


オーブンを買ってもらってからは

「大理石」(マーブルケーキ)を

何度も作りました

マーブルの模様ができるのが

小学生にとっては「たいそうなもの」を作れた気がして

嬉しかったのです

マドモアゼルいくこの秘密のダイエットケーキ

マドモアゼルいくこの秘密のクッキング

この2冊の本も繰り返し読んでは作っています

レシピも作り易くていいのですが

マドモアゼルいくこさんの料理エッセイがほんわかしてていいのです

こちらも古本のみです

 

まいにち食べたい”ごはんのような”

クッキーとビスケットの本 

なかしま しほ著 主婦と生活社


この本は私の中では最近買った本の部類に入るのですが

クッキーの作り方が簡単で美味しくてヘルシー


自分で考えた材料で応用しやすいレシピでとっても気にいっています


リッチな感じのクッキーはありません

クラッカーとか、たまごぼうろとか

玉子は使わず

油と粉と砂糖が基本の素朴なものがほとんどです

 

最近の本は題名が長いですね

そうしないと同じ題名の本で一杯になっちゃうのかもしれませんね…

 

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まいにち食べたい”ごはんのような”クッキーとビスケットの本より

「抹茶のぐるぐるクッキー」


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まな板に跡がつきました

 

 

今はブログやユーチューブで

材料からレシピを探せて本当に便利ですが

信頼できる料理本はずっと手元に残して

使って行きたいと思っています

 

 

 

情報開示請求をした話

八洲学園大学で司書資格取得のための勉強中

情報開示が課題として出されたことがありました

5年以上前のことなので変わっていることがあるかもしれませんし

情報開示の細かい手順は

開示請求先によっても変わってくるかもしれないと思いますが

今日はそのときのことを思い出して書いてみようと思います


日本で情報公開制度に関する法律が施行されたのは

2001年4月1日で

情報公開の歴史はまだ浅いものです


始まってしばらくしてから

入試情報の開示についてのニュースをよく見かけるようになったと

記憶しています


私が情報開示したときは

2011年の東日本大震災の影響が

色濃かった時でした


以下、情報開示請求請求から開示されるまでを

時系列で記します

 

目次

 

1,情報開示する文書の特定


自分が知りたいことに関する文書がどこにあるのか

予めわかっていればいいですが

その文書自体があるか無いかもわからない時もあります


レポート提出の期限が定められたいたので

予め特定できた文書の開示を請求することにしました


また、開示された文書を見にいくのに

遠いところでは困るので

住んでいる自治体に請求できる件にしようと思いました


私が調べようと思ったのは

東日本大震災後子どもの給食に使われている野菜の放射能の値を

検査するときの費用を誰が負担しているのかということでした

国なのか、自治体なのか、東電なのか

当時、私の住む県では毎日検査されていたので

素朴に沸き上がった疑問でした


自治体の行政目録文書検索

自治体のWEBサイトで「放射能検査」「費用」の

2つのワードで検索をかけました

その結果

「食品衛生検査所における放射性物質検査の用に供する

食品等の確保のための費用負担について 放射能検査」

という保存期間5年の文書がヒットしました

調べたいと思った「検査の費用」ではなく

検査に使う「検査に使う食品の購入費用」の文書でしたが

これも検査費用の一部にはなるので

この文書を開示請求することにしました


多分、実際に開示請求したいと思う事柄がある訳でなく

課題をこなすための開示請求だとすれば

この「文書の特定」が1番ハードルが高いところだと思います

 

文書を特定できないとき

もし、知りたいことがあるが、文書を特定出来ない時には

開示請求書の「請求する行政文書の名称等」とか

「行政文書の名称又は内容」といった欄に

出来るだけ詳しく内容を書いて請求します

ただその場合、必ずしも該当する文書があるとは限らないので

該当する文書が無いと返答を受ける可能性があります

 

2.開示請求

開示請求書は自治体や官庁など、それぞれに

様式がありPDFやワード文書の形で閲覧でき

印刷できるようになっていると思います

 

私は自治体の電子申請サービスを利用することにしました

自治体の電子申請サービスに登録をし

メールで開示請求をしました

翌日に申請の審査が終了したという自動メールを受け取りました

そのメールには申請状況の紹介先のURLが付記されていました


3.申請結果の確認

申請状況の紹介先で「申請許可」となっているのを確認しました


4.閲覧日の確定

10日後、文書を保管している機関から電話があり閲覧日を決めました


5.開示決定通知書を受け取る

閲覧日の前に「一部開示決定通知書」が郵送されてきました

非開示となっていたのは「水産物の出荷地・荷主」

「青果物の出荷者・産地コード」などで

非開示の理由はかいつまんで記すと

「開示することにより当該法人の財産権が侵害される恐れがある」

「当該法人が他の事業者との競争で不利益を被る恐れがある」

でした


6.閲覧

庁舎の間仕切りで覆われたテーブル席で

スーツを着た男性が二人待たれていて

ちょっと緊張する雰囲気がありました

「ご希望されたものかはわかりませんが」

と言いながら黒塗りだらけの文書を提示されました

私が見たいと覆っていた「費用の請求」については黒塗りされていなかったので

コピーをお願いしました

私はコピー代を納付するために銀行へ行きました


ところで、このコピーですが

開示請求書にコピーを希望するか記入する欄があった場合

文書のページ数が予めわかっていない場合に希望するのはやめた方がいいです

1000ページに及ぶ文書などもあるそうなので

未記入にしておくと、「閲覧した時に決定する」としている自治体もあるし

最近では「電子媒体での記録」などの項目もあるようです


7.結果

検査に使用する食品の購入費用は、自治体が負担したことがわかりました

半年で70万円ほどの費用がかかっていました


また、情報開示した文書を読むと


この検査の目的は

放射能の新基準値が施行されることを踏まえ」

「出荷制限の解除条件を明確にするため」とあり

文書の発行者は厚生労働省になっていました


つまりこの検査は

「市民の安全のために」自治体で自主的に行われた検査ではなく

「出荷制限解除」のために、厚生労働省の方からの指示で行われた

検査だったことがわかり

「新基準値」を作るための「やらせ」のように感じてしまいました

 

ただ、自治体が負担しているとわかっただけでは

レポートとしては不足している気がしたので

更にインターネットを利用して

他の自治体ではどのようになっているのかを調べたところ

東電に損害賠償請求をしている自治体が結構あることがわかりました

更に調べてみると私の住んでいる自治体でも

東電に損害賠償請求していることがわかりました


そうなると、東電には賠償能力があるのかな

ということが疑問になってきますよね

東電を解体することも検討されたことはあるようですが

東電の解体はその影響が大きすぎるので

国はこれを支援する組織や体制などをいろいろ作ったことも

わかりました


つまり国主体の

壮大な自転車操業の中に私たちが組み込まれている

という構図が浮き上がってきたのでした


もう一度こんな大事故が繰り返されたら

自転車操業も立ち行かなくなるのではと不安になりました


このような授業の課題として出されて行った

たった一つの情報開示でも

自分が知らなかった、想像だにしなかった

社会の裏側を見たように思いました


この文書も保管期間の5年間が過ぎ

今ではこの文書を通じて私が知ったこと

思ったことも

今は知る術がないと思い

ブログに記すことにしました


読んで下さった皆様

ありがとうございました

 

 

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半年で司書資格を取得した体験記

もうずいぶん前になりますが

私は学校司書になった後に司書資格を取得しました

八島学園大学という横浜市にある

通信制の大学で取得しました

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通常は1年くらいはかけて取得するのですが

半年だとそのとき半額くらいで取得できたこともあったし

短期決戦型の方が飽き性の自分には

向いていると思ったのです


半年間、レポートを書く日々が続きました

1科目2,000字から10,000字のレポートです

この字数については先生から指定があります


レポートを書くために

土日は図書館に行って資料集めをしていました

やはり、参考資料が多い方が内容の濃いレポートを書くことが出来たからです


この時に読んだ資料で得た知識が、その後の仕事に大きく役立ちました


例えば、子どもの中には黒板の字を読むのが

緑に白で書かれた字を非常に見にくいと感じる子どもがいること

そういった子どもたちにとっては

色とりどりのマジックなどで書かれたサインも見ずらいこと

ディスプレイがあふれた空間では落ち着くことが出来ない子どもがいることなどを知り

図書館でのサインの色や掲示にも気を配るようになりました


また、ヨーロッパの図書館はあらゆる人に開かれていて

50か国あるいはそれ以上の言葉の本を取りそろえているだけでなく

あらゆる人が大変利用しやすいシステムになっていることも知りました

また、図書館の歴史なども勉強したことで

「図書館の多様性」や「図書館のあるべき姿」についても

深く考えるようになり

業務を進めていく上での指針のようなものが自分の中に出来たと思います

選書をするときには、あらゆる子どものニーズをとりこぼさないという

気持ちで図書予算を出来るだけ有効に使えるよう吟味していました


チャットでの授業もありました

参加する前は

チャットでの授業なんて嫌だなあと思っていたのですが

これが本当に楽しかった


先生が質問して

参加している生徒が答えていくわけなのですが

解答する順番を競ったり

論議に発展したり

授業の回数を重ねるうちにジョークを打つ余裕まで出てきて

青春時代に戻ったようでした


このチャットの授業は

「情報資源組織法」という分類についての授業と

「インターネットによる情報探索」(正式な科目名は忘れました)の

授業だったのですが

これは、学校司書の技能に直結する科目だと思います


この勉強をした後に、学校図書館の分類を2桁から3桁に移行させました

特に4類、5類は、小学校でも3桁分類にしないと

不足している本に気が付きづらく選書の質が下がることにつながると思います


また、今は小学校でもタブレット利用が当たり前になっているので

検索についての理論をきちんと学んでおくと子どもを指導するのにも役立ちます


自分も、個人的に論文検索をよく利用するようになり役立っています


それから、特に良かったのは

「情報開示」をさせられたことです

これは本当に勉強になっただけでなく

社会の裏も垣間見れたような体験でした

これについては又、別のときに詳しく書きたいと思っています


司書資格を条件的には必要とされていない

公立小中学校の司書ですが

司書資格を取ることは、取るために勉強することは

仕事を充実させてくれるだけでなく

自分のことも豊かにしてくれたと思っています


成績ですが

残念ながら全優とはいきませんでしたが

2つ良だった以外は優を頂き

まずまずの成績を収めることが出来ました


自分なりのレポートを書くコツ多く書いて縮めるです

私は2,000字のレポートなら3~4倍

10,000字のレポートなら2倍くらいは書いて

それから縮めるようにしていました

その字数を書くためには

資料を出来るだけたくさん集めなければならず

図書館で早めに予約するなど計画性も必要でした


仕事しながらの半年間は家事も手抜きになるので

家族の協力も必要でした

まあ外食とか出来合いの総菜が増えるとか

家が汚くても我慢してもらうとか…そんな協力です

 

それから試験前にインフルエンザになったときは

もう駄目かと思いました

そんなこともあるので時間のあるときに

出来るだけ進めておく方が安全です


八洲学園大学のチャットの授業は

現地に行って受けることもできるようになっていました

それから私は参加しませんでしたが

WEB上での学園祭もあったと思います

その他、希望者には研修ツアーみたいな企画もありました

 

チャットの授業が本当に楽しかったので

終わった時は少し寂しかったです

 

 

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やりがい搾取~学校司書はボランティアか~

私は学校司書になってから八洲学園大学の通信教育で

学校司書の資格をとりました


今日は、その時のことを思い出して書こうかなと思い

八洲学園大学のホームページを

久しぶりに見てみると

「司書資格」とは別に

文部科学省が定める「学校司書のモデルカリキュラム」に対応した

学校図書館専門職養成基礎プログラム」なるものが

新たに出来ていました

なおこのプログラムは

「司書資格」をとった後に学習することをお薦めしますと

ありました


「司書資格」取得のための講座が257,330円~

そしてこの「学校図書館専門職養成基礎プログラム」にかかる費用が

241,000円~

更に専門性を高めるための「学校図書館専門職養成応用プログラム」の費用が

208,000円~


これを合計すると706,330円

殆ど私の勤めていた自治体の学校司書の年収の手取りぐらいになります


私の勤めていた自治体では学校司書は

最初は交通費も出ていなかったんですよ

4月、配属先が遠くなった人が

ほとんどきれていました


自治体の中には、この私の勤めていた自治体より

ひどい待遇のところもあり、それを知った時には

「もっとひどいところがあったのか」と驚きました

たまに男性もおられますが

「現代版女工哀史」ですよ


私が「司書」の資格をとったときは

半年で取得すると費用が半額ぐらいになったので

半年で頑張って取りました


学校図書館の司書になるのに

「司書の資格」はいらない自治体が殆どだと思います

私の勤めていた自治体はそうでした


それでも、学校で学校司書は自分一人だけ

自信を持って仕事をするのにはやはり「司書」の資格を取りたいと思いました

そして、実際に「司書」の資格をとるために勉強したことは

仕事に大変役立ちました


でも一方で

「この給料で資格をとるのにお金を使って、本当に割にあわないな」

と思っていました


そして、司書資格を取ってからは

出来るなら学校司書も「司書資格を持っているものに限る」としてほしい

そして、専門職として給料を上げてくれた方がいいとも思っていました


それにしても、私が「司書資格」をとったのは自主的だったのだから

まだいいとして


今回のこの「学校図書館専門職養成基礎プログラム」なるものは

文部科学省が定める「学校司書のモデルカリキュラム」に対応した

ということなのですが


私は声を大にして言いたい

「そんなもの定める前に、学校司書の待遇を整えてくれ」と

殆ど最低自給に近い学校司書の時給


「司書」の資格を持っていない学校司書も

日々、勉強しているんですよ

「自主勉強会」なるものには

会場に入れないほど学校司書が集まることもあります


学校図書館に学校司書と子どもだけにはしてはいけない

ことになっている」とか言いながら

実際には、そんなことばっかりなんですよ

子どもの命を預かっているんです

重い仕事なんです


体の大きい子どもが暴れるのを体を張って止めたり

下手すると体を痛めることもあるんですよ


そして、学校図書館は心のケアが必要な子どもが訪れることも多い

「司書」以外のスキルも要求される仕事なんです


「学校司書研修」に行くと

私はいつも思っていました

「興醒め」ってこういう気持ちのことを言うんだな」と

「この待遇で、よくそこまで要求できるな」と


一体、このひどい待遇

どういう経過を経て決定したのか

今度、情報開示でもしようかなと思っちゃいます


「学校司書」の待遇について

「やりがい搾取」と言われているそうですが

その言葉の通り、本当に「やりがい」のある仕事です

なんで「やりがい」があるのか

どもに必要とされていることが

実感できるからなんです

子どもの役に立ちたいと思えるように

自然になるんです

 

だから待遇が悪くても

子どものため、学校のため、先生のため

正規雇用なみに仕事している人もたくさんいるんです


でも、何年か経つと

流石にすさんでくるんですよ


何年やっても最低賃金ぎりぎりの待遇が変わらないんです

でも、それでもやはり、未来をになる子どものためと思い頑張ってしまう

待遇悪いまま働き続ける人がいくらでもいる

だから、少しも良くならないんですよ


今、振り返ってみると

もっと怒るべきじゃなかったのかと思うんです

怒っていい待遇でしたよ

長い間、搾取されちゃったな

と思っています


もし、これから目指されるのであれば

スキルアップして

私立の学校司書を目指されてはどうかと思います


また、手話などのスキルがあれば

養護学校など、条件の良い仕事につけるかもしれません


本当は、通信教育で司書資格をとったときのことを

書こうと思ったのですが

それは又、今度…


 

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教育現場のヒントが詰まっている実話映画フリーダム・ライターズ

小学校の学校図書館に勤めていた時

毎日のように子どもの喧嘩に遭遇しました


口喧嘩から、取っ組み合いに発展することもありました

ちょっとしたことで相手を攻撃する

あるいは、攻撃されたと思う


これが中学生だと、どちらか一方が引く、我慢することで

喧嘩まで行かないことが多いですが

「自分と違う人を認める」

というのは、大人でも難しいこと

一つのクラスに40人前後の人間が詰め込まれ

毎日長時間を共にする

軋轢が生まれるのも自然なこと


図書委員の中で、敵対関係が出来てしまうと

図書委員をみることに時間をとられ

休み時間、図書室に来る子どもたちに

目が届かなくなってしまう


子どもたちが

自分とは合わないと思っている人とも

どうやったら関係を築きながら

図書委員の仕事を協力してこなしていけるのか


そんなことに悩んでいた時

参考になった映画がありました


 


2007年に公開されたアメリカの映画

「フリーダムライターズ」

人種間で争う高校生のクラスを受け持った

若い女性教師エリンの様々な取り組みを通して

子どもたちの意識が少しずつ変わっていきます

映画を見た後に、この映画が実話だと知り

一人の先生がやりとげた仕事の偉大さ

に驚かされました


エリンは子どもたちにノートを配り

日記をつけるように言います

最初は乗り気でなかった子どもたちも

だんだん自分の置かれた境遇や気持ちを綴るようになっていきます

この日記は匿名で書かれ

子どもたちは他の子どもの心や苦悩に気が付きます

 

このときの日記をまとめて出版された本が

映画の原作となっています


エリン先生の取り組みの一つに

「ライン・ゲーム」というものがあります

子どもたちが「はい」と「いいえ」でこらえられるような様々な質問をして

共通点が無いと思っていた友だちとも、共通点があることに気づかせることがねらいのゲームです

 

私も最初の図書委員会での集まりで

このゲームを真似してみたことがありました

そして「自分と合わないと思った人とでも、協力できるところを見つけて

図書館を良くしていくという共通の目的を持って図書委員をやってほしい」

というような話をしていました

学校図書館での図書委員会が

図書委員の成長の場に少しでもなってほしい

という思いがありました


ほんの数人の活動であっても

導くということは本当に難しい

今でも、あのときもっとこうしていれば

と思い返すことがあります


この映画のキャチコピーは

「昨日までの涙がインクになる…」


そういえば私も

自分がブログを始めてから

他の方が書いたブログをよく読むようになり

新たな発見や気づきがあります


ブログを書くことも

きっと社会をよりよくしていくことに

役に立っている…

 

シンキングエラー

「いじめ対策」として大阪の小学校で行われている

「シンキングエラーについての授業」をテレビで紹介していました


いじめにおけるシンキングエラーとは

例えば

「いじめられる方にもんだいがある」

「ただふざけているだけ」

「みんながやっているから」

のような考えのことで

「自分が正しいと思っている考えが間違っていることもある」

ということを教えて

いじめの予防に取り組んでいるそうです

こどもたちは

「それ、シンキングエラーだよ」などと

注意しあうようになったといいます


この注意の仕方は

子どもたちの言いあいでありがちな

「お前が悪い」

という人格を否定することばではないところがいいです

 

私は関東の小学校に勤務していましたが

「シンキングエラー」という言葉は

学校では一度も聞いたことがありませんでした


学校図書館に来る子どもから

いじめの相談を受けることもありましたし

いじめを目撃することもありました

図書委員会の中でいじめが発生したこともありました


「いじめは悪いこと」とハッキリと大人が発信すること


自分はこれが大事だと思っていました


そして、私のいた学校では、この発信が少ないと思っていました

担任の先生に報告して

「いじめとまではいかない」

「いじめられる方にも問題がある」

と返ってきて、がっかりしたこともありました

 

そういった場合は自分一人で自分なりのやり方で対応していました


また、いじめに関する本は常にディスプレイするようにしていました

「いじめはよくないことだよ」

というメッセージ代わりに

 

「いじめと戦おう!」「いじめから脱出しよう!」

 

この本に載っているやり方でマウントしてくる管理職の態度が

180度変わって効果に驚いたことがあります

「その人の前で他の人と仲良くする」という方法なのですが

 

「いじめない力、いじめれれない力」

 

「いじめない力」という「ことば」がいいです

「それも、力なんだよ」と言っているみたいで

 

「死ぬんじゃねーぞ!!」

「もしキミが、人を傷つけたらな、傷つけられたなら」


いわゆる「いじり」の段階で放置しないことも大事だと思っていました

「いじり」の段階で、いじられている方に個別に話を聞くと

「本当は嫌だ」と打ち明けてくれました


「いじめる側」の子どもの心の闇が

何からきているのか

私たちは全てを知ることはできません

 

ただ「いじめは悪いこと」と大人がはっきり示すことで

本人が少しでも自分と向き合い

「いじめない人間」に変わってくれることを望んでいました

 

この「シンキングエラー」について

勤めていた時に知っていたら

掲示したり、図書便りに書くことも出来たと思い

知らなかったことを残念に思いました


このシンキングエラーと自分も向き合ったことがあります


 

「自分の小さな箱から脱出する方法」と姉妹本

 

近い人との関係について悩みを抱えていた時

読んだ本です

問題は私の考え方にあったのだと気づかせてくれました

 

「アーティストのためのハンドブック」


この本は最近図書館で見つけて借りました

二人のアーティストが7年かけて書き上げた本だそうです

副題として「制作につきまとう不安との付き合い方」

これは美術作品の制作について書かれた本なのですが

私はつい、この美術作品をブログに置き換えて読んでしまいました

というのも、ブログというものを始めて以来

だんだん読んでもらいたいという気持ちが強くなり

自分か当初書きたいと思っていたものから外れていく

そんな自分に不安を抱えていたからです

「シンキングエラー」とまでいかなくても

自分の考え方の癖に気が付くために

読書を通じて自分以外の人の考えに

触れるようにしよう

と、改めて思ったのでした

 

それにしても、シンキングエラーということば

日本語にしてみようと思っても

しっくりくることばが見つからない

外来語って不思議な力をもっています