元学校司書のおぼえ書き

学校図書館のこと 本のこと そのほか思いつくまま

お題「遅れてやってきた自分だけのマイブーム」

私の遅れてやってきたマイブームは

明治生まれの文豪「坂口安吾」です


いつから遅れたのか

最初に坂口安吾がブームだった戦後すぐは

まだ生まれていなかったので仕方がないとして

2006年の生誕100年

2011年の坂口安吾原作の推理小説を原作としたアニメ「UN-GO」のテレビ放映

2017年から連載の「文豪ストレイドックス」


若いころに読んだときはピンとこなくて

いずれのブームにも乘れなかったのですが

やってきました

坂口安吾」ブーム


なぜ、やってきたのか

昨年末より、東京都国立市にある鍼灸院にかよっています

その名も「あんご鍼灸院」

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東京都 中央線 国立駅から徒歩5分 あんご鍼灸院 火金休み 土日も診てくれます

電話で予約 042-576-4418

 

最初は先生の名前だと思っていました


だって、他の患者さんが

「あんご先生」と呼んでいるし

先生も訂正せずに返事していたから


先生によると

「あんま鍼灸院」だと思っている患者さんも居るとか


先生の名前が「あんご」じゃないことに気づいて

ある日、聞いてみました

「先生、なんで、あんご鍼灸院って言うの」

「若気の至りだよ。若いころ好きだった作家の名前」

とのお答え

「今更、変えられないしさ」


「確かに」と私

へえ、坂口安吾って、そんなに良かったっけ…

 

帰ってyoutubeで「堕落論」の朗読を聞いてみる

あれ、確かに面白い

本でも読んでみることにしました

私にはちょっと難しかったので2回読みました

私が坂口安吾の言っていることをちゃんと理解しているかと言えば

それは怪しいので

面白かったとだけ言っておきます

代表作として知られている小説「白痴」

これが若い時に読んだことがあった作品です

エッセイなども読んでみると自叙伝的な作品なのかとも思います

東京大空襲の描き方が

戦後すぐにこの表現が出来たことが格好いいと思いました

そして「桜の森の満開の下

キレキレの才能を見せつけているようなニクイ作品です

アニメ化したらいいような作品だなと思ったら

1975年に映画化されていました

乙女の本棚シリーズはイラストが美しい

中学校の図書館にお薦めです

 

しかし、なんと言っても

エッセイが読みやすくて面白いです

もうブロガーだったら☆つけまくりです


エッセイの中に小林秀雄太宰治が出てきて

生の人間として浮かび上がるのも面白いし

わかりにくい小林秀雄を、わかりやすい言葉で論じてくれているのもいいです

囲碁や将棋の観戦が好きで、観戦記なども書かれていますが

「九段」というエッセイは笑ってお腹が痛くなりました

「散る日本」は現代の日本について語っているのかと錯覚してしまう

 


勝海舟が登場する「捕物帖」のような推理小説も書いていたとは

知りませんでした

前書きには「読者への口上」として

この本の中で、勝海舟は7割がた失敗することになっているので…

自分の推理が当たらなくても

明治きっての頭脳である勝海舟も失敗するのだから

気楽に読んでくれ云々といったことが書いてあって

おかしくなってしまいました

 


坂口安吾がエッセイの中で太宰治の「漁服記」をほめていたので

読んでみました

 

私が小学校6年生の時の先生が

「お前らにどん底がわかるか」と言って

黒板をバンバン叩きながら

走れメロス」についての授業を1時間目から6時間目まで

ぶっ通しでやられて以来

太宰治が嫌いになり、今まで避けてきたのですが

「漁服記」は良かったです

他の作品も読んでみようという気になりました


「あんご鍼灸院」の先生は

似田敦(にただあつし)先生といいます

似田先生はブロガーの大先輩なので

ブログを始めたばかりの私は

針を打たれながら相談しています


鍼灸院を探していた時

ブログの記事の緻密さを見て

研究熱心な先生だと思いここに決めました


私が「坂口安吾、若い時は面白さがわからなかった」と言うと

「教養がないと読めないんだ」と、おっしゃいました

年を重ねて少しは教養がついたみたいで良かったです

 

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